近藤たばこ店:着物でお客様をお迎えする、浅草の小さな相談所
昭和49年(1974年)創業、千束通り商店街で半世紀以上にわたって続く老舗たばこ店です。2代目店主の近藤さんが引き継いだのは2005年。タスポカード導入等によってたばこの販売形態が変わったことで、店主自らがカウンターに立つ時間が増え、それが商店街のお客さんとの深い繋がりへとつながっていきました。
お客様の声に応える品揃えと、専門店ならではの相談対応
取り扱い商品は豊富な品揃えよりもお客様のご要望を大切にするスタイル。銘柄の希望があれば仕入れる、顔なじみのお客様の好みを把握しておくといった、コンビニにはできないきめ細やかな対応が近藤たばこ店の強みです。さらに、ニコチンが含まれないたばこ代替品も取り揃えており、「お医者さんに止められちゃって…でも吸いたい」というお客様には、そっとそちらをすすめることもあるそうです。
着物姿の店主と、数秒の立ち話が生む信頼
着物でお客様をお迎えするようになってから、「今日はどんな着物?」と楽しみに立ち寄るお客様も増えました。一見するとわずか数秒の立ち話ですが、その積み重ねが深い信頼へと変わっていきます。転勤の前日にわざわざ挨拶に来たサラリーマン、北海道へ嫁ぐことになった常連の女性が「ここで買い物すると元気をもらえた」と告げに来たこと——そんなエピソードが近藤さんの宝物です。
名前も住所も知らないけれど、顔は知っている。だからこそ、「他では言えないんだけど」という話を打ち明けてもらえる。不動産の相談、近くの病院の情報、近所の気になること。近藤たばこ店は、いつの間にか地域の小さな案内所になっていました。
商店街の理事として、地域の未来を思う
千束通り商店街の変化を誰よりもそばで見てきた近藤さんは、商店街の理事としても活動しています。「駅から遠いこの場所に、ものが買えるお店があるというのは重要なこと。地元の人が観光客にまみれながら買い物しなくてもいいように、この商店街がそれを担えないといけない」と話します。イベントを開くと、普段は静かな通りが嘘のように人で賑わう。抽選会の当選報告をしに来る常連さん、子ども向けイベントに集まる家族連れ——そのたびに「ちゃんとみんな気にかけていてくれているんだ」と感じるそうです。

店舗からのメッセージ
「タバコは吸いすぎに注意。やめたい方も、気軽にご相談ください。」(店主)
昭和レトロがテーマの千束通りで、着物で店頭に立つ近藤さんの姿は、その世界観をそのまま体現しています。千束通り商店街にお越しの際は、ぜひ気軽に声をかけてみてください。